東京都交通局が「偽装請負」疑い “公営”交通が、非正規労働者を最低賃金ギリギリで酷使、毎年10%以上離職の現実とは
3月、東京都営交通協力会が東京都労働局などから是正勧告を受けていたことが、一部メディアによって報じられた。“公営”交通が非正規労働者を劣悪な待遇で酷使していたのだ。
偽装請負が常態化
これらの質疑を通して明らかになったのが、都営地下鉄の多くの駅が事実上、非正規の協力会職員によって担われている実態であった。
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都の答弁によると、協力会に委託している駅では、駅長職の助役のみが交通局職員で、ほかはすべて協力会の職員であることも明らかになっている。
つまり、報道だけを見れば都労働局の是正勧告は重箱の隅をつつくことのように捉えかねない。しかし、責任者のみ交通局職員で駅が運営されている以上、
「業務全般で偽装請負が常態化している」
と疑われても仕方がない。また、同様の職務を行わせながら給与に格差があることも問題なのだ。
これらを踏まえて、2022年12月15日の都議会第4回定例会で示された「令和三年度公営企業会計決算特別委員会決算審査報告書」では、別紙意見として
「都営地下鉄の駅業務を委託されている(一社)東京都営交通協力会の契約社員の賃金や労働時間について、実態把握と待遇改善を進めるとともに、委託についても見直しをされたい」
という意見を伏して決算を認定したことが報告されている。
都議会で継続的に問題が取り上げられている現実を踏まえると、3月の報道は都交通局と協力会の関係性への疑念が増していることを意味する。公営企業が非正規労働者を搾取していることの闇が、いま明らかになりつつある。