米国警察のドローンが住民監視? 捜査の効率化に多大な貢献も、録画データへの住民アクセス不可 日本も他人事とはいえない現実だ
米国で、警察によるドローン活用が急速に進められている。なかでも最先端を行くのは、カリフォルニア州サンディエゴ郡のチュラビスタ市警察だ。
ドローン捜査に懸念の声も

完璧なように見えるDFRシステムだが、実は市民からプライバシーの侵害を心配する声も上がっている。
2021年2月、タコス屋の近くで倒れている人を発見したという通報にドローンが飛行したが、ドローンが呼吸の有無を確認できるかは疑わしい。
また、通報のなかには曖昧なものもある。
「取りあえずドローンを向かわせる」
という捜査方法が過剰ではないかという意見がある。あまりにも簡単にドローンを飛ばせるようになったこともあり、DFRシステムは「捜査」の域を超えて、ドローンによる
「監視」
になってしまわないかと考えられているのだ。
チュラビスタ警察は、ドローンシステムの見学についてはいつでも可能と回答しているが、映像の公開については拒否している。わかっているのは、映像がチュラビスタ警察のデータ保管庫に保存されており、
・刑事や警察がアクセスできる
・地方検察局にも保管されている
ことのみ。この不透明さが一部の市民の不信感をさらに増大させる事態を招いている。
サンディエゴのスペイン語地方紙のラ・プレンサ・サンディエゴが、チュラビスタ警察に対してドローンが撮影した映像の開示を求め、裁判を起こした事例もある。
警察側も、ドローンの飛行ルートを必ず公開したり、地元のコミュニティーと対話を継続したりするなど、努力はしているようだ。住民側の理解も進みつつあるものの、プライバシー問題はこれからも根気よく議論されるべき課題になるだろう。