気分はインディ・ジョーンズ? 伝説の富山県「黒部ルート」一般開放は、北陸新幹線敦賀延伸の観光コンテンツになりえるか

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富山県の新たな観光ルート「黒部宇奈月キャニオンルート」の一般開放に向けて、準備が進んでいる。同ルートは、関西電力が所有する発電設備の維持補修専用路線だった「黒部ルート」の一般開放によって生まれるものだ。

観光振興室から聞いた意外な事実

黒部トンネル内バス(画像:富山県)
黒部トンネル内バス(画像:富山県)

 富山県観光振興室によると、一般開放の機運が高まったのは、2017年に「『立山黒部』世界ブランド化推進会議」が設置されてからだという。

 北陸新幹線開通とともに観光客を呼び込む施策を検討するために設置されたこの取り組みでは黒部ルートの一般開放も議題となった。これを経て関西電力との協定が実現したというわけだ。

 ところが、富山県観光振興室はこうとも話す。

「一般開放に向けた動きは、かなり古くからあったのです」

いったい、どういうことだろうか。

「1956(昭和31)年に黒四ダムが着工する際、厚生大臣から「工事完成後は公共の利用に供する」との条件で工事が許可されています」

 黒部峡谷は中部山岳国立公園に含まれる。国立公園内にダムと設備を建設するのだから、完成後は一般利用を可能にすることを当時の厚生省は求めたわけである(国立公園は厚生省が管轄していた)。

 しかし、関西電力は安全面への懸念から一般開放を実施しなかった。曲がりなりにも一般の利用が可能になったのは、1996(平成8)年に富山県と関西電力の話し合いで黒部ルート見学会が実施されるようになってからだ。

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