運転中のタッチパネル操作「ドラッグより危険」だった? ドライバーの反応時間6割も増加、メリット・デメリットを再考する

キーワード :
, ,
タッチパネル式の券売機誕生から2023年でちょうど30年を迎える。メリット・デメリットを通して、今後を考える。

車内のタッチパネルの進化に期待

携帯電話使用等に係る使用状況別交通事故件数の推移および死亡事故率比較(画像:警察庁)
携帯電話使用等に係る使用状況別交通事故件数の推移および死亡事故率比較(画像:警察庁)

 日本においては、運転中のカーナビゲーションやスマートフォンの操作が過去に問題視された経緯もあり、現在では法整備も進んでいる。

 携帯電話使用等に係る使用状況別交通事故件数の推移(以下、交通事故件数の推移)では、2020年に激減していることがわかる。これは、2019年12月に携帯電話使用等の罰則などを引き上げた改正道路交通法が施行されたことや、啓発活動、交通指導や取り締まりの推進が背景にある。

 交通事故件数の推移を見ると、2011(平成23)年から2017年まで右肩上がりに増加していることがわかる。つまり、この間は機器の普及が進むものの、法整備だけでなく、

・社会全体の危険性の認識
・ユーザーの意識

が追いついていなかったことを物語っている。

 今後、自動車に搭載されるタッチパネルは、普及による事故の増加、それに伴う安全対策や法整備という同じ轍(てつ)を踏むのだろうか。

「自動車を停止しなければタッチパネルを操作できないようにする」

ことが、一番の安全対策だろう。

 このほか、何でもかんでもタッチパネルに収めるのではなく、物理的なスイッチとして残すべき機能、タッチパネル化しても安全上問題ない機能などをあらかじめ整理しておくことや、音声ガイダンスにより操作をアシストするなどの対策が考えられる。

 技術の進化により、自動車のスイッチ類のタッチパネル化が不可避であるならば、安全な形での搭載が望まれるところである。

全てのコメントを見る