運転中のタッチパネル操作「ドラッグより危険」だった? ドライバーの反応時間6割も増加、メリット・デメリットを再考する

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タッチパネル式の券売機誕生から2023年でちょうど30年を迎える。メリット・デメリットを通して、今後を考える。

運転中のタッチパネル操作の危険性

カールスルーエ(画像:(C)Google)
カールスルーエ(画像:(C)Google)

 2019年8月、ドイツのカールスルーエ地方裁判所における裁判では、運転中の車内タッチパネルの操作を不適切な使用と認め、ドライバーに対し200ユーロ(約2万8000円)の罰金と1か月間の自動車の運転禁止を科した。

 この事故を起こしたテスラ車のドライバーは、大雨の状況下で、運転中にタッチパネルでワイパーの間隔を調整していたところ、道路をそれて堤防に突っ込み、標識や木々をなぎ倒した。

 この裁判の争点は、タッチパネルによるワイパーの間隔調整が、

「安全関連の制御装置の操作」

にあたるかどうかだった。この判決では、タッチパネルによるワイパーの間隔調整は、

「不適切な電子機器の使用」

と判断されたことになる。

 タッチパネルの操作のうち、どこまでが安全関連の制御なのか明確にすることも必要かもしれないが、それ以上に、そもそもタッチパネル操作により

「運転中に視線がそれる危険性」

を議論すべきではないだろうか。

 イギリスの道路交通研究所TRLの報告によると、ドライバーの「反応時間」は平常時に比べ、

・大麻使用時:21%
・携帯電話使用時:46%
・タッチパネル操作時:57%

それぞれ増加するとのことだ。この調査報告が元となり、ヨーロッパのインターネット上では運転中のタッチパネル操作は

「ドラッグより危険」

という見出しが躍っている。

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