日ハム新球場「エスコンフィールド」 アクセス整備進むも、“新駅建設費”が影を落としていた!

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北海道日本ハムファイターズの新しい本拠地、北海道北広島市の「エスコンフィールドHOKKAIDO」への交通アクセスが整いつつある。一方で、球場近くに建設予定の新駅には難題が持ち上がっている。

新駅建設費、4割高

エスコンフィールドHOKKAIDO(画像:写真AC)
エスコンフィールドHOKKAIDO(画像:写真AC)

 開幕に先立って、筆者(合田一道、ノンフィクション作家)はプレオープン戦をのぞいてみたが、目を見張るような球場に驚きの声を上げた。観覧席の階段は下層ほど傾斜が緩やかで、歩きやすい。座席は札幌ドームと比べて6cmほど広くなったそうで、確かに座り心地がいい。

 ふと見ると足の不自由な男性が、車椅子で入場してきて、係員に促されて車椅子専用の席についた。聞くと、車椅子の座席が1、2階合わせて140席もあるという。その心遣いに思わずうなった。車椅子での移動にも心配りの行き届いた新球場である。

 試合が始まった。プレーする選手がひときわ近く見える。途中で場内を巡った。「七つ星横丁」は飲食店街。すし店や焼き肉店など10店が並んでいて、食欲をそそる。驚いたのは最上席に設けられたクラフトビール酸造所レストラン。そこで造られたビールがその場で飲めるというので、結構人だかりができていた。

 こうした期待感に水を差すような話だが、ここにきて新たな難題が起こった。球場に隣接して建設されるはずのJRの新駅の建設計画が、総工費の高騰で、見直さざるを得なくなったのだ。

 この計画は北広島市がJR北海道に請願し、工費を全額負担することで合意したが、資材や労働賃金の高騰などで、JRが2019年に公表した総工費の試算より4割高の115億円から125億円になるとされ、計画をやり直さねばならなくなったのである。建設候補地が斜面のため、線路をカープして取り付けなければならないのも高騰の理由のひとつだという。

 最初の計画では、新球場から200mほどの場所に建てられるはずだったが、それを諦めて、JRが中心になって別の候補地を複数挙げて検討している。仮に適当な場所が見つかっても、工費が下がるという保証はない。

 関係者によると、2027年末までには、なんとしても新駅を建設したいというが、うまくいっても4年後の話だ。鉄道を利用して北広島駅で降りてバスに乗り換えて球場へ、という今の形がそれまで続くとなると、道民の8割が日ハムファンだといわれる土地柄だけに、どんな反応が起きるだろうか。いささか心配になってくる。

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