ブランコに乗って発電? 水素エネルギーを身近に体験できる「H2 PARK」イベント デンソーが開催
「元気を電気に変える」体験

自動車サプライヤーメーカーのデンソー(愛知県刈谷市)が3月18、19日の2日間、東京都の恵比寿ガーデンプレイスセンター広場でイベント「みんなのエネルギーを、みんなのうれしいに。H2 PARK」を開催した。
デンソーは、2035年に生産活動でのカーボンニュートラルを達成することを目指し、その選択肢のひとつとして、再生可能エネルギーである水素の利活用に取り組んでいる。今回のイベントは、「あなたの元気をみんなのエネルギーに変える公園」という「H2PARK」を設置して楽しんでもらうことで、再生可能エネルギーを身近に体験してほしいと企画した。
会場で最も目を引いたのは、「H」の文字内に造られた特設の巨大ブランコ。今回のイベント会場では、実際に水素をエネルギーに変換することは行っていないが、ブランコをこぐことによって電気エネルギーを発生させ、それを水素へと置換してためる過程を模型で展示。水素エネルギーは目に見えるものではないため、水の中の泡として視覚的に分かりやすいように工夫した。
そのためたエネルギーを使用して、ブランコをこいだ子どもに綿菓子がプレゼントされるという流れ。ポイントは、この綿菓子が「自ら生み出したエネルギー」ではなく、「他の人が生み出したエネルギー」によって作られるという構図になっていること。「自分でこいだエネルギーは、誰かのために使われる、自ら得られる利益は誰かのおかげで生み出されたものから」という構図をつくることで、幸せが循環する未来の姿を体験してほしい、というデンソーの考え方に基づくものとなっている。
デンソーの担当者は「水素を再生エネルギーとして(気軽に)利用できるようになれば、これからの社会に大きくプラスになる。その水素エネルギーという存在をまず分かりやすく体験してほしい、身近に感じてほしい、ということが今回のイベントを実施した1番の狙い。ブランコを漕ぐという体験を通じて、生み出したエネルギーがいろんなところに活用できるんだ、ということを小さなお子さんが知る最初のきっかけになれば」と話した。
デンソーは愛知県の企業ということで、中京地区以外での体験イベント実施は珍しい。会場では、朝早くからブランコの前に子どもたちが行列をつくり、自ら生み出すエネルギーの数値結果に、家族とともに笑顔を見せていた。