ダイハツはなぜ女性に選ばれるのか? ユーザー率なんと7割、「かわいい」だけじゃない車づくりの本質とは
軽自動車販売トップのダイハツ工業(大阪府池田市)は現在、顧客の約7割を女性が占めている。いったいなぜか。
世代を超える安心感

ムーヴキャンバスの購入ユーザーは約9割が女性、そのうち約35%が若年層という統計があった。ただもちろん1割のユーザーにも配慮した、老若男女にとって乗りやすい設計であることが求められる。
そこでダイハツはユーザーに安心感を与えられるように、さまざまな試みを実施した。数あるモデルのなかでタントに焦点を当てて紹介したい。
タントで注目すべきものは「ミラクルオープンドア」だ。これは、2007(平成19)年発売の2代目タントで初めて採用された。助手席側のフロントドアとリアドアの間にある柱(ピラー)を撤去したことで、乗員の乗降がスムーズになるだけでなく、チャイルドシートへ座らせたり、子どもの着替えを行ったりなど、スペースを幅広く使えるようになった。
タントのこだわりはそれだけではない。一般的な標準仕様とは異なる、乗り降りしやすい手すりやステップなど、高齢者が楽に利用できる福祉車両を別途用意している。
ダイハツは幅広いニーズに応えるべく、計画初期段階において運動学を研究する大学や病院の理学療法士、さらには開発地の地元に住む高齢者とも共同で開発。初期段階から標準車/福祉車両での一体開発をおこなっているのだ。そのため手すりやステップなどの高齢者向けオプションを豊富に用意し、低価格で提供できる。
このように、子ども連れの親からお年寄りまで、誰でも快適で使える仕様の開発に努めている。