エア・インディアが「エアバス・ボーイング540機」を爆買いした壮大すぎる理由
エア・インディアが2月14日、エアバスに250機のジェット旅客機を発注したと報道された。洋の東西を結ぶ新たな航空路は実現するのか。
製造能力が逼迫している原因

エアバスの製造能力が逼迫している原因として、
・電子部品
・熟練労働者
・チタン
の不足が挙げられている。
電子部品不足は、自動車や他の製造業と同じように航空機メーカーにも影響を及ぼしている。熟練労働者不足は、コロナ禍で多くの労働者がエアバスを去った結果だ。今から新たに人を集めて教育を開始しても、製造能力が以前の水準に回復するにはもう少し時間が必要だ。
そして、三つ目のチタン不足は、ロシアのウクライナ侵攻に端を発しているのだ。
エネルギー・金属鉱物資源機構(東京都港区虎ノ門)のマテリアルフロー2020によると、ロシアは航空機部品の原料となるスポンジチタン生産量で世界第3位にある。実はエアバスは、チタンをロシアから輸入していた。現在は、ロシア以外の国からの調達に切り替えているものの、需要に追いついていない。
電子部品不足、労働者不足、チタン不足のいずれも、解決にしばらく時間を必要とする課題であり、しばらくは製造能力が元どおりになるのは難しいだろう。