エア・インディアが「エアバス・ボーイング540機」を爆買いした壮大すぎる理由
エア・インディアが2月14日、エアバスに250機のジェット旅客機を発注したと報道された。洋の東西を結ぶ新たな航空路は実現するのか。
国際航空路のハブを目指すインド
エアバスのギヨーム・フォーリィ社長兼最高経営責任者(CEO)が
「インドが国際的なハブになる機は熟した」
と述べているとおり、インドは洋の東西を結ぶ国際航空路のハブとなることを目指しているのだろう。
人口14億人以上と、今や世界一となろうとしているインドが、今後の経済成長に伴う諸外国との交流の活発化を踏まえ、
・カタール航空(カタールのドーハが本拠地)
・エミレーツ航空(アラブ首長国連邦のドバイが本拠地)
に攻勢をかけようとするのも納得がいく。
もちろん、カタール航空は、ワールド・エアライン・アワード2022を3年連続で受賞しており、実績でははるか先にいる。また、このカタール航空としのぎを削ってきたエミレーツ航空(同アワード3位)も手ごわいだろう。このほか、シンガポール航空やアラブ首長国連邦のエティハド航空などライバルは多い。
とはいえ、仮に国際的なハブは一歩譲ったとしても、自国に出入りする乗客をみすみすライバルに明け渡すのももったいない話であることには変わりない。
問題はエアバスの製造能力
エア・インディアが強力なライバルに割って入るには、もう少し時間が必要となる。というのも、エアバスの製造能力が世界の需要に追いついていないからだ。
特にA320neoシリーズは何年も予約で埋まっており、早くとも2029年まで納入を待たなければならないといわれている。
エアバスの過去5年の納入機数は
・2018年:800機
・2019年:863機
・2020年:566機
・2021年:611機
・2022年:661機
となっている。
このように、新型コロナウイルスが感染拡大した2020年には納入機数が566機まで落ち込み、徐々に回復しているものの、コロナ禍以前の水準には及んでいない。