「共同物流」は運送会社にメリットがあるのか? 大荷主連合が握る「運賃交渉」のカギ、独禁法違反に気を付けろ

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2023年はじめ、公取委は「グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法上の考え方」という報告書案を公表した。そのなかでは「物流共同化の独禁法上の問題」について、かなり詳細に論じられている。

物流では協調し、他の領域で競争する

物流トラックのイメージ(画像:写真AC)
物流トラックのイメージ(画像:写真AC)

 ドライバーの残業時間規制が強化されるという、いわゆる「2024年問題」が間近に迫っている今、物流サービスの限られたリソースを有効活用するうえでは、共同化によって、物流領域での企業同士の協調関係を実現することが必要だ。

 一方、市場経済が円滑に機能するうえでは、企業間競争が制限されないことも重要だ。その意味で独禁法にのっとり、協調が談合になってしまうことのないよう、十分に留意しなければならない。

 その際、

「商品・サービスの領域では企業同士が公正に競争する」

など、協調と競争とのバランスを確保することが重要だ。このような点を踏まえ、健全な物流共同化が実現することを期待したい。

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