戦車・戦艦好きでも反戦派? ネットにはびこる「ミリオタ = 右翼」説を一蹴する
マニアックな軍事情報をSNSで解説している「ミリオタ」。そんな彼らは一般的に「右翼的」と認識されているが、それは本当だろうか。
SNSで存在感増す「ミリオタ」
そうした、メディアが報じない、いわばマニアックな軍事情報をSNSで解説してくれる人たちは、一般的に「ミリオタ」と呼ばれる。彼らは今回の戦争以前から、さまざまな情報を発信している。
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ミリオタは「ミリタリーオタク」の略で、学問的に明確な定義はないものの、インターネット上の『実用日本語表現辞典』では
「戦闘機や軍艦といった軍隊の装備品、軍服、国防などに強い関心を持ち、愛好してやまない人」
としている。
この言葉の発生以前から、軍事に関するものを愛好したり、研究したりして一家言を持つ人は古くから存在していた。
近年では、軍艦を擬人化したゲーム『艦隊これくしょん』や戦車を題材にしたアニメ『ガールズパンツアー』の流行もあり、世代を問わず存在する趣味のひとつとして定着している。
在野研究で光るミリオタ
ミリオタのなかには、在野でありながら価値のある研究を行い評価されている人も多い。
以前、筆者(昼間たかし、ルポライター)が取材した『海軍さんの料理帖 明治~昭和まで歴史で辿る日本海軍レシピ46品』(ホビージャパン)を書いた有馬桓次郎(かんじろう)氏は、独自調査によりこれまで多くの料理レシピを再現している。なかでも、日本海軍の給糧艦「間宮」で製造されていた「間宮羊羹(ようかん)」がどういうものだったかを解明している人物なのだ。
ただ、ミリオタは世間一般に理解されやすいとは決していえない。とりわけ日本では
「右翼 = ミリオタ」
と見る人が結構多い。こう書くとミリオタから怒られそうだが、軍事にさほど知識を持たない多くの一般人は、大抵そう考えているだろう。