「10トントラック = 10トン積める」は大間違い! それを知らない荷主もいるし、知ってて“過積載”依頼の荷主もいる現実
積み荷の制限で大きな影響を与えるのは「重量」である。トラックに何tまで積むことができるのか、そして実際何t積むのかは、荷主にとっても運送会社にとっても常に気になる事柄だ。
「最大積載量」とは何か

今回の法改正との関連はないが、積み荷の制限で大きな影響を与えるのは
「重量」
である。トラックに何tまで積むことができるのか、そして実際何t積むのかは、荷主にとっても運送会社にとっても常に気になる事柄である。
トラックに最大積むことができる重量は「最大積載量」と呼ばれる。最大積載量は
「車両総重量 - 車両重量 - 乗員定員重量」
で計算できる。車両重量は、ドライバーなどの乗員を含まない車両の重さのことである。車両重量には車体自体の重量のほか、燃料などの重さも含まれる。
乗車定員重量とは定員に55kgを掛けたもので、定員が3人なら165kgとなる。大人ひとりの体重が55kgというのは、男性であれば少し痩せ気味ではないかと思われるが、今の規定ではそのようになっている。
車両総重量は車両ごとに決められており、一般に大型トラックと呼ばれるものは、
・車両総重量が25t以下
・中型トラックは8t未満
・小型トラックは4~5t程度
となっている。通称、大型トラックは10t車、中型トラックは4t車などと呼ばれるが、これは最大積める重量が10tや4tということではない。
例えば、荷台にテーブルリフター(トラックの荷台の高さから地面まで昇降させることができるように荷台後部に付いている設備)やつり上げ式のクレーン、冷蔵冷凍機などが取り付けられている場合、その付属設備の重量分だけ最大積載量は少なくなる。
中型トラックであれば、車体の重量や付属設備によって3.5t程度しか積めないこともある。トラックの仕様によっては、逆に4tを超えて積める車両もある。つまり、最大積載量は
「トラックごとに異なる」
ということである。