栃木の謎! JR宇都宮駅と東武宇都宮駅、なぜ「2km」も離れているのか

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LRT8月開業で盛り上がる宇都宮市だが、同市を訪れた人は長年感じているだろう。なぜ、JR宇都宮駅と東武宇都宮駅はあんなに離れているのか――と。

1885年に開業した宇都宮駅

1909(明治42)年発行の宇都宮周辺の地図。現在のJR宇都宮駅が開業して24年後。東武宇都宮駅はまだない(画像:国土地理院)
1909(明治42)年発行の宇都宮周辺の地図。現在のJR宇都宮駅が開業して24年後。東武宇都宮駅はまだない(画像:国土地理院)

 現在、人口50万人を超える宇都宮市に対して栃木市は15万人程度と、都市の規模には大きな差がある。ただ、栃木県にはもともと

・政治の中心
・商業の中心

という、ふたつの中心都市があったことを理解した上で、以後読み進めてもらいたい。

 こうして県庁に定まった宇都宮だったが、県庁移転の翌1885(明治18)年7月に、日本鉄道の宇都宮駅が開業した。これが現在のJR宇都宮駅であり、当時の宇都宮市街からは東に外れたところに位置している。

 現在でも、東北本線は線形をみても宇都宮駅の南側へ西に向けて大きくカーブし市街地を避けているような形になっており、鉄道が市街地を避けていることがわかる。

駅建設に反対した宇都宮の人たち

赤枠内が宇都宮市材木町。東武宇都宮駅の西側に位置している(画像:(C)Google)
赤枠内が宇都宮市材木町。東武宇都宮駅の西側に位置している(画像:(C)Google)

 1985(昭和60)年に発表された『宇都宮駅100年史』には、昭和初期の古老への聞き取りとして

「宇都宮の停車場は、はじめ材木町か新国道の中間あたりにできる予定だった」

との記述がある。

 つまり、当初の計画では宇都宮駅は現在の東武宇都宮駅のある位置より

「西側」

に設置される予定だった。このほか、いくつもの案があったようだが、いずれも市街地を南北に流れる田川より西に駅を設置することが検討されていた。

 ところが、田川より東の現在地に追いやられたのは、宇都宮の人たちが反対したからだった。宇都宮では駅どころか

「鉄道そのもの」

に反対する者が多かった。というのも、鉄道が開通し交通が便利になれば、東北地方からの貨客が宇都宮に滞在せずに通過してしまうことを懸念していたからだった。

 これまで宇都宮の宿場を利用していた貨客が、宇都宮を通過して東京に向かってしまうことに加え、宇都宮の商圏も東京に奪われてしまう――というのが、当時の宇都宮の意見の多数を占めていた。

 結果、宇都宮では、田川の西には駅を設置させないことで意見がまとまった。こうして、宇都宮駅は田川の氾濫原(はんらんげん。河川の堆積作用で生じた平地で、洪水時に冠水する部分)だった湿地を埋め立ててようやく建設にこぎつけた。開業は前述のとおり、1885(明治18)年7月だった。

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