なぜ「京王線」ばかりが映画・ドラマに登場するのか? 各社ロケ協力の裏事情とは
かつて、首都圏を舞台とした映画やテレビドラマなどに登場する駅や電車は、京王電鉄のものばかりだった。その理由と、現在の事情を解説する。
JRや各大手私鉄も門戸を開放したのはなぜ?

しかし、世の中の価値観が変容するのにともない、2000年以降の鉄道事業者の多くは、ロケ協力に対する考え方を大きく変えた。
変化のきっかけのひとつに、全国でフィルム・コミッションの整備が進んだことがある。フィルム・コミッションとは、地域活性化を目的に、映像作品のロケが円滑に行われるように支援を行う団体のことだ。
2001年には、東京都が「東京ロケーションボックス」というフィルム・コミッションを大々的に立ち上げたことも大きな話題になった。こうした動きから、「ロケに協力することは地域にとってプラスである」という考え方が全国的に広まっていったのだ。
また、シネマコンプレックス、CS、BS、スマートフォン、動画配信サービスなどの普及により、映像作品のニーズが高まり、その制作本数が激増したことも大きい。つまり、分母が拡大したことで、必然的に駅や電車内での撮影を希望する制作者が増えたのである。
上記の背景に加え、鉄道業界全体で駅施設の多様な有効活用が進んだことも手伝ったのだろう。京王電鉄以外の多くの鉄道事業者も、ロケ協力を自社や沿線のPRを兼ねたひとつのビジネスとして捉え、サービスをシステム化していったのだ。これは、鉄道関連施設に限らず、系列のホテル、商業施設、娯楽施設なども含んだ対応のケースもある。