120km/hで走っても捕まらない! 高速道路「最高速度」の一部引き上げ、その素晴らしき効果と苦悶の課題とは
高速道路の最高速度引き上げが、一部路線で限定的とはいえ始まっている。その効果と課題を解説する。
経済的にもメリット

最高速度の引き上げによってもたらされるメリットは、ドライバーの気分の改善だけにとどまらず、経済効果も期待できそうだ。例えば、全国で最初に120km/h区間が導入された新東名高速道路において、最高速度規制引き上げ前後(2020年1月~2021年1月)の所要時間を比較したデータがある。
ナビタイムジャパンの調査によると、最高速度120km/h区間の「森掛川IC~新静岡IC」を含む「浜松いなさJCT~御殿場JCT」間にて、120km/h運用後の所要時間が平均4.4分短縮されたとのことである(120km/h対象外である大型貨物車は除く)。
2013年の少し古いデータになるが、中日本高速道路などによると、新東名高速道路において、「大型車」を除く1日の平均交通量が2万4600台。2021年の一般労働者の賃金30万7400円(厚労省資料)を参照して試算すると、新東名の120km/h区間運用での時短効果は、年間約14億円となる。用いたデータの年代がそろっておらず申し訳ないが、経済面での効果の目安程度に参照いただければ幸いである。
これはあくまで、新東名の一部区間に120km/hが採用されたことによる効果である。速度規制の引き上げが広がれば、さらなる経済効果が見込めるだろう。