あおり運転? 追い越し車線のトラックが、夜の高速道路で点滅させる「右ウインカー」の意味を知っているか
夜の高速道路を走るトラックドライバーたちの暗黙のルール、「右ウインカーを点滅しながらの走行」について解説する。
譲り合いの合図にも

他の使い方としては、譲り合うときにも右ウインカーは使われる。例えば、低速のトラックを抜けずに、その後ろについて走行車線を走っているトラックが、追い越し車線に入ろうとしているとき、追い越し車線を走っているトラックが右のウインカーを出す。後方には減速したことを伝えて車間を取り、走行車線のトラックには「車線変更してもいいですよ」という意味でウインカーを出すのだ。
ドライバーによっては、ヘッドライトを消して車線変更を促す。そして追い越されたトラックは、追い越したトラックが走行車線に戻れるようにスペースをつくる。この時は、ヘッドライトを消して「割り込んできてもいいよ」と合図する。この時双方から出されるのはサンキューハザードだ。こんなトラックドライバー同士の暗黙の了解が、夜の高速道路では行われている。
ひと昔前なら、譲ってくれた車に追い越して走っていくトラックがハザードを出したのち、走行車線に戻る。といったこともよく見かけた。
どうして初めからハザードランプを出さないかというと、今でこそハザードランプのスイッチは暗い車内でも光っているし、押しやすい位置にあるが、ひと昔前のトラックは、ハザードスイッチが押しにくい位置にある場合があった。ハンドルの奥にあったり、シフトレバーの横にあったりして、操作しづらい車種があったのだ。
そうした車種でハザードスイッチを操作する余裕がないとき、右ウインカーを出す方が早いというわけだ。