長野、熊本、石川で「第二の人生」 東京メトロ03系が地方鉄道で“引っ張りだこ”のワケ
東京メトロ日比谷線で活躍していた「03系」電車が近年、地方私鉄に譲渡され、再び地域の足として走っている。「03系」がなぜ地方で重宝されるのか、解説する。
「日比谷線由来」が近代化に寄与
新車の製造費は1両数億円といわれており、経営基盤の弱い地方私鉄にはハードルが高い。中古車両は地方私鉄にとって、経営を持続させるための「命綱」のような存在だ。半面、前述の通り、大都市圏のJRや私鉄の車両は20mが主流であり、18m車体のような地方私鉄に適した車両の「出物」は少ない。
実は、上記の東急7000系や東急1000系は、日比谷線に乗り入れていた車両である。同じく日比谷線に乗り入れていた東武鉄道20000系も、譲渡例は少ないながら、アルピコ交通に計8両の譲渡が計画されている。
全長18mの「日比谷線由来」の車両たちが、過去30年以上にわたって、全国の地方私鉄の近代化に寄与していたわけである。