鉄道業界はなぜ「人手不足」「人あまり」が同時発生するのか? その構造から考える

キーワード :
,
鉄道事業者は「人手不足」で求人がよく行われているが、一方では、人余り」も起きているようだ。なぜそのような事態が起きるのか、解説する。

免許が取得できないとどうしようもない

芸備線(画像:写真AC)
芸備線(画像:写真AC)

 鉄道事業者の仕事としてイメージしやすいのは、電車の運転士である。しかし運転士になるには、鉄道事業者に入り、まずは駅職員、場合によっては車掌を経てからというのが原則だ。

 運転士の資格取得は厳格で、職場内での評価がどんなに良くても、一定の基準を満たす必要がある。適性がないと絶対に運転をさせてもらえないのだ。

 鉄道事業者では資格取得費用を負担している。運転ができる資格を持っている人が足りないと、鉄道は動かせない。人員がかつかつになると、何かあったときに鉄道を動かす人が足りなくなる。

 例えば、都営大江戸線の運転士の職場で多くの新型コロナウイルス感染者が発生した時、大江戸線は本数を減らさざるを得なかった。JR西日本の三次鉄道部(広島県三次市)でも、複数の運転士がコロナ感染したため、減便をするしかなかった。

 運転できる人が足りないと、このような事態になる。しかしコロナ禍は、別の状況をも生み出している。

全てのコメントを見る