タクシー15年ぶりの値上げで売り上げ増も ドライバーがっくり「歩合改訂」事情
15年ぶりに都内のタクシー運賃が値上げされ、売り上げも増えた。それなのに多くのドライバーは浮かぬ顔をしている。なぜなのか。
なぜ、歩率の変更に踏み切ったのか

なぜ、タクシー会社は軒並み歩率の改定に踏み切ったか。近年のタクシー車内装備の進化は著しい。セダンタイプからユニバーサルデザイン車に移行し、従来の無線タイプからネット受信へと変わりタブレット増設、コロナ禍による空気清浄機の設置など、設備投資の費用が増加した。
また、ここ最近の物価高、燃料費の高騰も大きい。一番大きいのはコロナ禍による痛手だ。緊急事態宣言などにより営業稼働車の減少、ドライバーの離職により営業車両などの維持費が重くのしかかった。
売り上げ増で会社の利益も上がるから、それで経費増を賄えばいいと思うが、それだけでは済まないようだ。この状況でドライバーの給料が増えれば、その分社会保険など人件費の負担も増え、大きく膨れ上がったコロナ禍による痛手は拭いきれない。この値上げのタイミングが、歩率変更の絶好のタイミングだったのだ。
ならば歩率を変更していない会社に行けばいいと思うかもしれないが、実はそう単純な話でもない。