日本より厳しいコロナ「ロックダウン」でも ロンドン交通局が“バス大量廃線”を免れたワケ

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コロナ禍で都市交通が苦境に陥ったのは、日本もイギリスも同じだ。ロンドン交通局の危機を振り返る。

ロンドンバスの大量廃線、免れる

ロンドンバス(画像:写真AC)
ロンドンバス(画像:写真AC)

 なにより大きいのが、2024年3月まで、政府から年間平均約2500万ポンド(約40億円)の収益保証サポートを勝ち取ったことだ(2022年8月に発表)。乗客の戻り具合は誰にも読めないが、しばらくは安泰だ。

 その後、2022年11月、ロンドンバスが大量廃線の危機を免れたことが発表された。

 ロンドンに620以上のバス路線があるなかで、政府は4%のネットワーク削減を要求していた。70超のルートを調整することが考えられていたが、11月の発表では、影響を受けるルートは18にとどまった。

 廃線も3路線発生するが、「100以上」と危惧していたことに比べれば、小規模に収まったと言える。しかも影響を受けるルートについても、乗り継ぎさえすれば目的地に到着できる。市民からの2万1000以上の意見も参考にしながら、調整は行われたそうだが、ロンドン市民への影響は最小限に抑えられたと言っていいだろう。

 現在のロンドン市内のバス利用は、19%の乗客が乗り継ぎしているが、今後は20%の人々が必要になるにすぎない増加だ。なお、ロンドンのバスは1時間以内の乗り換えは追加料金がかからない運賃設定である。

 均一運賃のバスとゾーン制の地下鉄では、移動距離が長くなるほど運賃に差が出る。低所得者層の利用が多いと言われるバスが利用できなくなることは、そういった人々にとって死活問題だった。

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