静岡バス横転事故で注目 恐怖の「フェード現象」とは何か? 坂道で発生、運転テクさえあれば安泰とは言えなかった!
2022年10月に静岡県小山町で観光バスが横転してひとりが死亡した事故で、静岡県警は事故原因を「フェード現象」だったと結論づけた。フェード現象による大型バスやトラックの事故は絶えない。その再発防止策を探った。
大分県で起きた事故とその原因

また、道路を管理する自治体や警察でも、フェード現象の発生を防ぐためにさまざまな措置を取っている。というのも、全国にはフェード現象に由来する事故が多発している難所がいくつもあるためだ。
例えば、大分県九重町の「四季彩ロード」では、2013年2月に観光バスが線路に転落し多くの重軽傷者を出している。この事故でも、運転手は数か月前に採用されたばかりであり、運転技術が未熟であったためにフェード現象が起きた。
それ以上に問題視されたのが、
「道路の危険性」
だ。
信号も含めて、地元民はこの道路が危険だと知っていた。事故が多発する「魔の坂道」と称される道路だったのだ。全長12kmの観光道路だが、事故現場の手前2kmはすべて下り坂、かつ150mの急勾配を下りきった先が信号のある丁字路交差点になっていた。
つまり、補助ブレーキの使用に注意しつつ、さらに前方の信号が青だった場合には、坂を下りきった途端に直角に曲がらなくてはならないという、極めて複雑な道路だった。
そこで、事故を教訓に九重町では道路に
「エンジンブレーキ使用」
「この先 交差点注意」
と書かれた黄色い看板を設置し、事故の再発に努めている。
再発防止のために守るべきこと

フェード現象の発生は運転の技量によって防げる。
ただ、責任を運転手個人に問うだけでは問題は解決しない。難所とされる坂道では、ちょっとした判断ミスの積み重ねで、誰もが事故を招く可能性はあるからだ。
最近では、技術が未熟な運転手が増えている懸念も増えている。コロナ禍で需要が激減したため、運転手を減らしたバス会社も多かった。しかし、需要が再び増加したことで経験の浅い運転手を急きょ採用していると見られる。
技術の習得と、運転中に道路の危険性を知らせる注意喚起、ともに再発防止のために欠かせないのだ。