トラック事故死「年間400人超」 ドライバー頼みの安全対策すぐ止めて、運送業界はAIに投資せよ
運送業界、特にトラックの安全性の改善は急務だ。現在トラック運送業界が抱えている問題やその対策案について考える。
トラック運送業界、改善急務
こういった技術に投資し、積極的に取り入れていくことが、安全なトラック運送業界を目指す上では重要になってくるだろう。もちろん、それに加えて運送業界の体制自体も改革が必要だ。国もどんどんそこに力を入れていくべきである。どんなに良い最新技術を持っていようと、安全に対する意識が希薄では、さらなる問題の発生につながりかねない。
国もその点については考えているようだが、まだ足りていない。例えば、2006(平成18)年度から、国と事業者によって「運輸安全マネジメント」という制度が導入されている。経営トップが自ら取り組みを主導し現場の声を反映させ、計画的に安全性の向上を図る。その実施状況を国が評価をし、当該事業者への評価内容を伝えるというものだ。
しかし、残念ながら事業規模の格差や業界内の事業所の多さから、このマネジメントは浸透していないのが現状だ。経営トップに立つ人たちにはぜひ、過酷化していく労働環境の中だからこそ、客観的に自社を見つめ直し、問題の解決に向き合ってほしい。
企業としてドライバーや市民の生命を守ることは、自社を守ることにつながる。最新技術を導入しつつ、体制を地道に整えていく。業界自体がつぶれてしまいそうな今、改善が急がれている。