盗電上等? 「車中泊」マナー違反という現代人の病理、そもそも「道の駅 = 宿泊施設」でないと知れ
車中泊を利用する人が急増しているが、それとともに、マナー違反も目に付くようになっている。なぜ、ここまで問題化してしまったのか、考える。
道の駅、本来の目的は?

さて、道の駅の利用において、最も考えるべきなのは、そもそも道の駅が「宿泊」を前提とした施設ではないことである。
国土交通省の掲げる道の駅の登録要件は「情報発信機能」「地域連携機能」そして「休憩機能」である。休憩機能では、利用者が無料で24時間利用できる十分な容量の駐車場や清潔なトイレが要件とされている。「24時間利用できる」が、「宿泊できる」とはしていないのだ。
車中泊流行以前から、道の駅は自転車やオートバイでツーリングする人には、定番の「野宿」スポットであった。道の駅のヘビーユーザーともいえるこの種の人々は、宿泊施設ではないことを十分承知した上で利用していた。
あくまで、旅の途中で「休憩」として仮眠させてもらっているだけ。あるいは、テントを張ることできる場合もあるが、あくまで黙認してもらっているだけ、というわけである。だから、営業時間中から“宿泊”の準備やテントを張るような、施設の管理者に迷惑をかける行為は、もってのほかである。「車中泊」と言葉は変わっても、実体は「野宿」との違いはクルマの有無程度にすぎない。あくまで管理者に黙認されているだけなのだから、一切の迷惑をかけないのが大前提であろう。