激安EVびっくりぽん! 中国「宏光MINI EV」上陸報道に悲観的な声続出、「日本終わった」のネット反応に国内勢はどう対抗するのか
「激安EV」として知られる宏光MINI EV。日本進出はモビリティ業界にどのような影響を与えるのだろうか。
国内使用には課題もあるか

激安EVと聞くと人気が集まりそうだが、現実的にはいくつかの問題点が考えられる。
まず宏光MINI EVは、急速充電に対応していない。普通充電だとどの程度時間がかかるかと言うと、日産サクラのような20kWh容量のバッテリーは、おおよそ6時間ほどで満タンになると言われている。
宏光MINI EVが半分程度のバッテリー容量であることを考えると、単純計算であれば3時間程度の充電時間が必要ということだ。当然、それだけの時間をステーションで待つことは考えにくいので、自宅に充電設備がない場合は小まめな充電が必要になってしまう。
また、最大の問題は安全面だ。中国は現状、通称「58協定」(正式には、国連の車両等の相互承認協定)の加盟国ではない。この協定の内容としては、加盟しているいずれかの国でテストに合格し、認証を与えられた車であれば、輸入の際も交通省の試験を受ける必要がないというもの。加盟国以外の車が輸入できないというわけではないが、国連協定規則に基づく安全基準が求められるうえ、認証をおこなうのに膨大な費用と時間がかかる。
結果的に、現状中国メーカーの車が日本に輸入されたとしても、それは認証を受けた後の話になるだけでなく、そこに費やした費用も上乗せして流通することが想定されるのだ。そうすれば必然的に激安とは呼べない価格帯になることもあり得る。
だが欧州で既に販売されていることを踏まえると、この「安全基準」がクリアされる可能性は今後十分に考えられるだろう。中国産の激安EVが起こした波は、日本のモビリティにどのような影響を及ぼしていくのか、引き続き注目していきたい。