1か月7000円で乗り放題 ドイツ「49ユーロチケット」導入に見る悪影響、急激な鉄道シフトは過剰インフラ投資生まないか

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1か月公共交通乗り放題9ユーロチケットの続編として、ドイツで49ユーロチケットが実施される運びとなった。2023年5月1日からスタートし、2年間にわたり導入される。

49ユーロチケットは1か月「7000円」

ドイツの鉄道(画像:写真AC)
ドイツの鉄道(画像:写真AC)

 2022年6月から8月にかけてドイツで実施された、1か月公共交通乗り放題9ユーロチケットの続編として、49ユーロチケットが実施される運びとなった。

 9ユーロチケットは、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した燃料価格の高騰や気候変動対策としてドイツ連邦政府により実施された施策である。期間中、わずか9ユーロ(約1300円)で、鉄道(高速鉄道を除く)や地下鉄、バスなどを1か月間利用できる夢のようなチケットが販売された。

 ドイツの交通事業者の全国組織であるドイツ交通事業者連合(VDV)によると、期間中5200万枚とチケットが飛ぶように売れて、旅行需要喚起に成功したものの、ドイツ国内各地の鉄道が混雑したとのことだ。

 9ユーロチケット施策終了時から、第2弾の公共交通乗り放題チケットについて議論されてきたが、2022年の年末になって1か月49ユーロ(約7000円)に落ち着く見込みとなった。

 49ユーロチケットは2023年5月1日からスタートし、2年間にわたり導入される。ただし、2年目はチケット料金が高くなるだけでなく、インフレ率に合わせて自動的に増額する可能性があるとしている。

 ドイツ国内全ての鉄道やバスなどの公共交通が乗り放題となるとはいえ、1か月49ユーロという

「微妙な値段」

でどこまで普及するのか興味が持たれる。

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