「東京を自転車天国に」 小池都知事の人気取りっぽい発言が、意外と的外れじゃないワケ

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「東京都を自転車天国にしたい」──小池百合子都知事の発言に、片山右京氏を始め会場にいた人々からは拍手が湧き上がった。小池知事が言う「自転車天国」の真意と意義を探ろう。

「東京都自転車天国化構想」にスポーツイベントが必要な理由

小池百合子都知事ら都政勉強会の参加者(画像:坂田良平)
小池百合子都知事ら都政勉強会の参加者(画像:坂田良平)

 自動車から邪魔者扱いされ、車道から歩道に逃げ込んだ自転車が、今度は歩行者を邪険にし、わが物顔で走るような現在の東京は、「自転車天国」からはるかに乖離(かいり)している。

 プロトライアスリートであり、サイクルロードレースの実況も務めていた白戸太朗都議は「自転車の利用推進を行うことで、事故が増えるのはとても怖いことだ」と都政勉強会にて発言した。

 自転車の利用推進を行い、サイクルイベントやサイクルロードレースが増えた結果、自転車が被害者、加害者になる交通事故が増えれば、当然批判は高まるだろう。

 そうなれば、「道路の整備(自転車通行空間整備)が終わるまで待つべきでは?」という声が上がるのも、もっともだと思う。

「しかし、道路整備の完了を待っていたら、何十年もかかってしまう」と、都政勉強会に登壇した森村隆行都議は説明する。そうなれば、日本は自転車の活用推進においても、先進都市の取り組みの後塵(こうじん)を拝することになる。

 そもそも、膨大なコストを必要とする自転車通行空間整備を推進していくのであれば、経済効果を同時並行で生み出しつつ実施していかなければ、都民の理解など得られるはずもない。

 森村都議は、「例えば、歩道、自転車専用通行帯、車道が分離した道路などは、都民が『そういう道路、街が欲しい』と求めるようになって、はじめて実現できるものです」と説く。

 ゆえに、森村都議は「都民の自転車に対する愛情を育んでいきたい」と説明する。サイクリングイベントやサイクルロードレースの開催には、経済効果だけではなく、自転車に対する理解や共感を高め、自転車文化を醸成する効果も期待できる。

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