EVが「若者のクルマ離れ」に加担していた? 実態は「買わない」ではなく「買えない」だった
自動車業界はEV化やカーシェアに新たな希望を見いだして久しいが、それでも「車離れ」という泥沼から抜け出す道筋はまだ見えていない。現状を確認し、対策を考える。
「経済的余裕なし」過半数
ここまでの話を聞けば、「車離れは、メディアがつくり上げた幻想では?」という考えさえ頭に浮かぶ人もいるだろう。だが、今まで挙げた数字とは裏腹に、「車離れ」は日本の経済状況の悪化とともに、実際訪れているのだと思わせる数字も、同調査には出てくる。実は筆者は、「車離れ」は、「車を欲しくなくなった」のではなく、日本人が「車を買えなくなった」だけだと考えている。
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今回のアンケートでも、現在車を持っているかという問いに対しては「購入する予定はないが、いずれは欲しい」が44.8%を占めた。また、車に対する意識への質問では「車を所有する経済的な余裕がない」と答えた人が57.9%を占めた。つまり、購入したい意思はあるものの、経済的な問題からなかなか行動に移せないという人が多いのだ。
その中で、今はやりの「EVへのシフトチェンジ」は、車は欲しいけど手を出せない、という“車離れせざるを得ない人”を増やす結果になり、結果的に業界を衰退させてしまうのではないかと考えている。