ブルドーザーが空を飛ぶ! 太平洋戦争で日本を圧倒したアメリカの「工兵機材」をご存じか
太平洋戦争で明確になったのは、日本の工兵機材がアメリカに対して大きく劣っていたという事実だった。その機材を紹介する。
3両体制で活動

実際の作業ではCA1でスクレーパー本体をけん引、さらにもう一両のCA1でスクレーパーの後方からプッシュするという3両体制が採られた。クラークCA1は空輸可能なエアボーンブルドーザーとして開発され実戦配備された機器だったものの、就役は1944年に入ってからと戦局の大勢が決していたこともあって、実際に空輸によって前線に展開された例は多くはなかったとも言われている。
さらにもうひとつ、空輸可能な工兵機材がアメリカにはあった。それが写真で紹介しているルターナ製のモータースクレーパーである。こちらも開発は太平洋戦争開始後であり、CA1と同様に1944年から実戦配備となった。
構造はエンジンと2輪の駆動系で構成されたモデルDターナプルトラクターとそれに連結するモデルQスクレーパー。スクレーパーボウルのコントロールは、モデルDの後部に装備されたウインチ&ワイヤによる機械駆動だった。モデルDトラクタの前方には、小ぶりながらドーザーブレードが装備されており、簡単な押土作業も行うことができた。生産台数はこちらも1000両程度と言われている。