ブルドーザーが空を飛ぶ! 太平洋戦争で日本を圧倒したアメリカの「工兵機材」をご存じか

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太平洋戦争で明確になったのは、日本の工兵機材がアメリカに対して大きく劣っていたという事実だった。その機材を紹介する。

空輸できるブルドーザー

クラークCA1ブルドーザー(画像:守山進)
クラークCA1ブルドーザー(画像:守山進)

 当時最新鋭かつアメリカ陸海軍工兵隊にも相当数が導入されていた大型ブルドーザーであるキャタピラーRD7、アリス・チャルマースHD10、インターナショナルTD-18などと比較するまでもなく、万事大は小を兼ねる的な汎用(はんよう)性を重視していたアメリカ産とは、一線を画していたのが特徴である。

 もちろんクラークCA1が小型だったのには、明確な理由があった。それは空輸が可能だったということである。CA1の車両重量は4195lbs(1904kg)と、当時のアメリカ陸軍航空隊が装備していたC-46やC-47といった輸送機での空輸において、何の問題もなかった。

 ちなみに従来からの装備ブルドーザーの中では最も小型だったキャタピラーRD4の車両重量は、ブレードを外した状態でもクラークCA1の2倍以上の1万30lbs(4553kg)とあって、空輸は不可能だった。クラークCA1はその軽快な展開能力と共に、占領直後の飛行場整備や前線での整地作業、さらには迅速な道路整備などを行うために設計された建設機械だった。

 ブルドーザーとしての能力はRD4他の機種に及ぶべくもなかったものの、それを補って余りあるメリットがあったということである。量産は設計を行ったクラーク・エクィップメントの他、アメリカンマシーン&メタルも参画し、終戦までに1100両余りが前線へと送り出されていった。

 メカニカルスペックはいずれのメーカー製も共通であり、エンジンはワウケシャ製の113cu:in直列4気筒サイドバルブガソリン。最高出力は28hpに過ぎなかったが、車体が小型だったこともあり、機動性に問題はなかった。また当時のブルドーザーとしてはまだ珍しかった油圧によるブレードを装着していたことも、小型軽量化に貢献していた。

 写真の個体は後部に小型のスクレーパーをけん引しているが、これはCA1専用の作業機であり、スクレーパーの心臓部というべきボウル部は油圧によってコントロールされていた。開発製造に当たったのは油圧作動スクレーパーの先駆者でもあったラプラン・チョートである。

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