ネット紛糾「電車リクライニング問題」 一声かけたら「バカヤロー」となぜか怒られた! そもそも正しいマナーなんて存在するのか
新幹線や飛行機、高速バスなどで座席のリクライニングを使う機会は多い。しかし、その利用マナーは明確でなく、しばしば論争となる。正解はあるのだろうか。
最適解は?
では、そもそも倒すこと自体を嫌う人はどんな思考なのか。こちらがどうも分からない。過去の新聞記事やSNSなどを探ってみたが、「倒すのは良いが全部はやり過ぎ」とか「狭い空間なのでマナーは重要」という声はあるものの、前の人が座席を倒すだけで不快に思う人は見つからない。たまたま虫の居所が悪かったとか、そういうことなのだろうか。
だからリクライニングを断ってくるのは、「ちょっと変わった人」程度に考えて問題ないと思う。でも、リクライニングするからと、後ろの迷惑を顧みずに使うのはやっぱり問題だ。
2017年には、お笑いタレントの小籔千豊さんが「新幹線のリクライニング(略)マックス倒したら怒られました」「倒してよい角度おせーて」とツイートして話題になったこともある。角度に基準はないものの、あくまで後ろの人の迷惑にならない角度で……が正解だろう。
例えば、長距離の高速バスや飛行機などでは、前後お互いに体を休めるよう深めに倒しても、さほど迷惑にはならないと思われる。しかし数時間の新幹線で限界まで倒したら迷惑かもしれない。
リクライニングの利用について、鉄道会社各社では基準は設けておらず、基本的には客任せになっている。しかも、この問題は日本だけではない。海外の英文サイトでも、リクライニングする時は声をかけるべきか、最大限倒してよいかはマナーの問題として取り上げられている。どうもリクライニングの利用は全人類的な課題らしい。
過去に飛行機では、リクライニングが原因で乗客同士がトラブルになり、緊急着陸したという事例もある。快適に過ごしたいなら、一声かけて控えめにというのが最適解だと、筆者(出島造、フリーライター)は思う。