ネット紛糾「電車リクライニング問題」 一声かけたら「バカヤロー」となぜか怒られた! そもそも正しいマナーなんて存在するのか
声かけに対し、怒鳴る人

同じ車両や飛行機に乗り合わせたのならば、袖振り合うも多生の縁である。しかし、過去から現在まで、前の人が座席を倒すことそのものを断ってくる人は存在するようだ。新聞データベースで調べて見たところ、『朝日新聞』2004年7月31日付朝刊の「相談室」欄で「いすを倒して怒られました」という相談が。体験は、次のような内容だ。
「新幹線で帰省した時、後ろの人に会釈をしていすの背を下げたところ『下げるな』といすの背をけられました。先日、再び新幹線を利用した時は、『いすを下げます』とことわったところ「うるさい! バカやろー」と怒鳴られました」
ひどい人と乗り合わせる機会が重なったらしい。この相談に回答しているのが、登山家の田部井淳子さんなのだが、その回答内で自身の体験も記している。
「私も、飛行機や新幹線をよく使います。乱暴にいすを倒されて迷惑することも少なくありません。座席の狭い飛行機の中、テーブルを開いてものを書いているとき、突然いすをたおされて頭をぶつけることもよくあります」
「頭をぶつける」も強烈なエピソードだ。ちなみに、回答では「怒る方がおかしい」と、一声かけた相談者を支持している。
もっとも、一声かけることを「マナー」とする人が絶対多数というわけでもないようだ。2018年には実業家の堀江貴文さんが、「席を倒していいですか?」と聞かれて「ウゼェ。勝手に倒せや。そうやって何でもかんでも保険かけようとすんなボケ」と不快感を表すツイートをし、賛否両論を呼んだことがある。「集中している時に声をかけられると嫌なので、勝手に倒してほしい」というのが、堀江さんの意見だ。
後ろの人が寝ているのを邪魔する可能性があるから声をかけないという人もいるし、「リクライニングするようになっているのだから、声かけは不要」という強烈な意見を持つ人もいる。