フランスの自動車広告がなぜか「徒歩」「自転車」「公共交通」を熱心に勧めるワケ【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(8)

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ヨーロッパでは、官民ともに、環境や健康を強く意識し、モビリティと人の付き合い方が変わり始めている。最新動向を報告する。

ロンドン全域に拡大するハイテク環境ロードプライシング

現在の超低排出ゾーン(ULEZ)(画像:ロンドン市)
現在の超低排出ゾーン(ULEZ)(画像:ロンドン市)

 ロンドン市は2019年4月8日から排ガスの多い車両への課金、いわゆる環境ロードプライシングを実施している。大気汚染を軽減し市民の健康を改善することを目的に導入されており、「超低排出ゾーン(ULEZ)」を指定し、ゾーン内への流入に対して、一定の排ガス規制を満たしていない車両に課金するものだ。当初は都心部のみで運用していたエリアを、2021年10月、18倍に拡大した。東京に例えると、最初の2年間は千代田区を対象として、その後環状7号線内側全域に拡大したと想像すると分かりやすい。

 12月25日を除く、24時間364日、市内に乗り入れる乗用車、バス、バイクなどが対象であり、路側に設置された自動ナンバープレート読み取り装置で車両を監視する。日本のような料金徴収のための料金所はないスマートな方法を採用している。すでにロンドンでは、2003年から都心部を対象に、混雑対策のロードプライシングを同様の方法で運用しており、市民にはなじみのある方法だ。

 環境ロードプライシングの課金対象となる車両は、例えば、乗用車やバン、小型バスでは、ガソリン車で排ガス規制「ユーロ4」、ディーゼル車で「ユーロ6」に満たない車両が対象となる。乗用車では2005年以前に新車登録したガソリン車やディーゼル車が規制対象となる。課金額は、乗用車やバイク、3t未満のバンなどは1日12.5ポンド(約2000円)であり、ゾーン内の住人や障害者用の自動車、タクシーなどは適用除外となる。

 なお、都心部の混雑課金は現在も運用しており、一日15ポンド(約2500円)が課金される(月曜日から金曜日は午前7時~午後6時、土曜日と日曜日は正午~午後6時。クリスマスから年末年始までは無料)。排ガス規定を満たしていない車両はダブルで課金されるため、4500円という高額の課金となる。

 支払いは、ロンドン交通局(TfL)のウェブサイトから電子申請が可能であり、ゾーン内利用ごとの自動引き落としサービスも完備する。自分の車両が対象となるかどうかも、TfLのサイトからナンバープレート情報で容易に確認可能だ。

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