2輪界隈に蠢く懲りない面々! 原付「書類チューン」は違法、無免許運転で免許取り消しだ
書類チューン、ダメ、ゼッタイ
では、筆者がなにを心配するかといえば
「任意保険」
である。任意保険も当然ながらボアアップした場合に修正が必要となるが、書類チューンは虚偽申告となる。つまり保険金が支払われない可能性がある。
これも確認のしようがないと思われるかもしれないが、それなりの事故ともなれば保険会社はしっかり調べ上げる。相手の保険会社も調べ尽くすだろう。支払いには大変シビアな保険会社、事故内容によってはエンジンもシリンダーボアやピストン径を見るために自社提携工場も含め、しかるべき専門家に出して開けて確認するかもしれない。
そもそも正しくボアアップするか、51cc以上の原2を買い直せば済む話で、ビクビクしながら違法な書類チューンの状態で乗ることもないように思う。また交通違反でも白バイ隊員にはバイクに精通した好事家も多い。90年代の話だが、黄色ナンバーのホンダ・モンキーが新宿伊勢丹前で白バイに止められ
「これ50ccのまんまだろ」
と指摘されていた。絶対ではないが、わかる人にはわかる。
ちなみに原2にしたからといって、必ずしもふたり乗りがOKとはならないことも注意してほしい。乗車定員を変えるのはまた別の話となる。また原1の免許しか所有していないのに50cc超にボアアップして公道を走った場合は違法改造および無免許運転となる。つまり、すべて適用されれば1発で免許取り消しである。そんな人がいるのかと思うのは無理もないが、昔から普通にいたりするから困る。
冒頭の商店主の話も昔のことで、息子さんが継いだためにそのスクーターはお役御免となった。しかしいまも書類チューンの原1は普通に見かけるし、少し詳しければまあわかる。そうはいっても「絶対」はないので、役所も申請の通りに受理してナンバーを交付せざるをえない現実、バレなければいいじゃないかではなく、あくまで法律違反であると同時に、万が一の際の事故で任意保険が下りない可能性がある。
特に後者は本当に大変なことになるので、自分の身を守るためにも安易な考えで書類チューンに手を染めることは絶対にやめてほしい。