欧州が最大市場の中国を猛追 2021年1QのEV市場「第三極」米の動きは

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英JATOの統計によると2021年第1四半期のEV世界販売台数は72万7000台だった。EVは世界に広がりつつあるが、それでも台数を見ると95%が三つの地域に集中しているという。

EVトップシェアのテスラを猛追するVW

フォルクスワーゲン「ID.4」(画像:フォルクスワーゲン)。
フォルクスワーゲン「ID.4」(画像:フォルクスワーゲン)。

 ブランド別にみると、テスラは世界的にEVの販売台数を伸ばし続けており、第1四半期には世界のEVのうち4台に1台がテスラとなるほどのシェアを獲得した。ただし他の自動車メーカーとの競争が激化しており、テスラの市場シェアは以前と比較して減少してきている。

 それでもなお、4モデル(そのうちの二つは6年以上も前のモデル)しか存在しない新興自動車メーカーとしては驚くべき実績であり、その急成長は「モデル3」「モデルY」によってさらに加速している。この両モデルは、2021年第1四半期に1番目と3番目に売れたEVとなった。

 一方で既存の大手自動車メーカーも新型のEVを発売し、対抗を図ろうとしている。11車種(2021年6月現在)もの多彩なラインナップを取りそろえるフォルクスワーゲングループがその一つで、「ゴルフ」「パサート」「ポロ」などの従来のエンジン車の販売減少をカバーするように、EVの「ID」シリーズが欧州で好調に推移しており、新型のSUV「ID.4」は4月の欧州EVセールスランキングでトップに立った。

 中国で大きなシェアを持つGMは、地元メーカーとの合弁事業のおかげでEVの販売台数を大きく伸ばしている。宝駿(Baojun)と五菱(Wuling)の両ブランドによる小型EVは、低価格と魅力的なパッケージにより、今後も高水準のセールスが見込まれている。五菱「宏光MINI EV」は、中国ではテスラ「モデル3」を上回り、セールストップに立っている。

EV普及へのさらなる支援が求められる

 このように、EVに注目すれば市場は成長を続けているが、自動車市場で広く歓迎されているとは言い難い。消費者が購入可能な水準まで販売価格がさらに引き下げられる必要があるだろう。自動車産業がその対策に後れを取った場合、市場の主要な顧客層を振り向かせることができない懸念があり、それは自動車産業の雇用状況に悪影響を与える可能性がある。ゆえに各国政府には、EVの販売を支援するため、補助金を追加したり、税金を軽減したりするなどの役割が求められている。