「窓側 or 通路側」だけじゃない! 乗り心地のよい座席を選ぶコツをご存じか
新幹線や特急列車の指定席を予約するとき、「窓際か通路側か」を気にする人は多い。だが、「乗り心地」を基準に選ぶ方法もある。
乗り物酔いを防ぐには?

筆者(島崎敢、心理学者)は、乗り物酔いはあまりしないほうだが、電車やバスの中で原稿を書いたり、研究データの分析をしたりすることも多く、PC画面を見ていることが多い。
乗り物酔いにはさまざまな原因があるが、その中で比較的影響が大きいのが、三半規管と視覚から入ってくる体の動きに関する情報の不一致である。三半規管は耳の奥にあるセンサーで、自分で体を動かした時も、乗り物に揺られて体が動いている時も、常に体の動きをモニターしている。
体が動けば景色も変わるので、歩いている時など、自分で動いている時は三半規管の情報と視覚の情報は一致している。一方、乗り物は運転する人以外は必ずしも外を見続ける必要はなく、筆者のようにPC画面を見ながら仕事をすることなどが可能である。
このとき三半規管からは体が揺られている情報が入ってきているが、PC画面は動かないので、三半規管と視覚の情報の不一致が起きる。PC作業や読書のような極端な状況でなくても、乗り物は全面ガラス張りではないので、三半規管からの情報と、乗り物の内側を見ている視覚の情報は一致しない。酔わないためにはなるべく窓から外を見ていたほうが良いというのは、このためである。
さて、話を元に戻そう。酔わないための別の方法として、乗り物に揺られる程度をなるべく穏やかにすることがある。これによって三半規管に入ってくる情報も穏やかになるし、消化器官が揺さぶられる程度も小さく抑えることができる。「同じ乗り物に乗るんだから、揺れ方なんて同じでしょ」と思うかもしれないが、これが結構違うのだ。