トヨタ名車ベスト10を選ぶとき、トラック「トヨエース」が絶対外せないワケ

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日本における「自家用貨物自動車」の歴史を振り返るとき、トヨタ・トヨエースを避けては通れない。それまで主流だったオート三輪に引導を渡した、革新的小型トラックだからだ。

低価格を維持して性能は格段にアップ

 そして1961(昭和36)年にモデルチェンジし、PK10となる。

 おそらく多くの人にとって、ここからのモデルこそが「トヨエース」という名前と、そのカタチの記憶が一致することだろう。

 ここからのモデルはエンジンの排気量を1200ccにアップした新型となり、さらに1963年のマイナーチェンジではPK40となるとともに、1500ccエンジンを搭載する。

 2代目のトヨエースは相変わらず標準の装備は最小限であり、内装も鉄板むき出しではあったものの、標準仕様の1.5トン積で49万円と、同じ積載量のオート三輪を下回る価格を維持。価格が安いという、デビューからの最大のメリットをしっかりと維持しつつ、クルマとしてのクオリティーは初代とは比べるまでもないほどに向上していた。

 トヨエースの存在は、オート三輪を市場から駆逐するとともに、いすゞ・エルフという宿命のライバルというべき小型トラックが登場する大きな動機にもなった。

 トヨエース、昭和30年代という高度経済成長期のニッポンにおいて、まさに末端の物流を地道に担っていた働きモノだった。

 これまでトヨタが造ってきたクルマは数多いが、その中でベストテンを選ぶなら、絶対に外すことができない名車である。

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