「鉄オタ = 鉄道会社に就職できない」は結局、本当なのか?
「鉄オタは鉄道会社には就職できない」なる話は都市伝説に過ぎない。鉄オタゆえに夢を諦めず鉄道会社に就職した人、中には社長になった人もいる。
女性運転士も登場
鉄道ファンの採用で会社が新たな人気を得る事例もある。滋賀県の近江鉄道では、増収のためにさまざまなグッズを発売し、全国の鉄道ファンから人気を得ていることで知られている。
全国の鉄道会社の制服を着たキャラクターシリーズである「鉄道むすめ」には近江鉄道も参加しているが、これは2019年に採用された社員が、自分も「鉄道むすめ」グッズの収集家だったことから提案し実現したものだ。まさに自分の趣味を仕事に結びつけた事例である。
ちなみに、かつては男性ばかりだった鉄道ファンも、今では女性が多いことはよく知られている。鉄道について学べる昭和鉄道高校(東京都豊島区)は2004年から共学化。岩倉高校も2014年から共学となった。こうした流れの中で、当然鉄道会社に就職する鉄道ファンの女性も出てきている。
兵庫県の北条鉄道では、2011年に初めて女性運転士が採用され話題となったが、この人もやはり鉄道ファン。朝から晩まで普通列車に乗り続けるのが好きなガチの乗り鉄だ。『朝日新聞』(2011年6月30日付)によれば、大学を卒業後、鉄道会社に就職することを目指してアルバイトしつつ採用試験を受けていたというから、本物である。