大雪降ったら「EV大丈夫かよ」問題 一酸化炭素中毒は回避可能も、トータルでどうなのか
日本列島では冬、大雪によって各地で交通渋滞が発生する事態がしばしば起きる。そんな時、EV車は大丈夫なのか?
氷点下15度、実験の結果は?
実際、どのメーカーでも寒冷地でバッテリーの減りが早いのは確かなようだ。2021年に中国のIT大手バイトダンスの傘下にある北京空間変換科技が、各国のメーカーのEV車を用い実験を行っている。この実験は、内モンゴルの実験場を使い、氷点下15~同20度の環境で航続距離を調査するというものだ。
この結果、もっとも航続距離が長かった上海蔚来汽車(NIO)のEC6では、公式な航続距離の55%。テスラのモデルYは公式の47%となった。寒冷地ではフル充電状態で運転して、バッテリーの性能が半分近くに落ちるというわけだ。ただ報告では、中国内外41車種のうち23車種は、210km以上の航続距離を記録したとしており、性能が落ちるとはいえ、直ちに使えなくなるわけではない。
一方で、この調査では、寒冷地では充電効率も落ち、充電時間が平均して7割近く伸びることも明らかになっている。電気自動車の場合、寒冷地ではバッテリー性能が低下すると共に、車内温度を一定に保つために、より消費量が増えてしまう。ゆえに、カタログスペックを信用して利用することは極めて危険といえる。