飛行機を襲う自然災害! なぜLCCは大手より先に「欠航」を発表するのか
LCCは大手航空会社より先に発表する欠航の割合が高い。いったいなぜか。
LCCは欠航を早々に決定も

自然災害による欠航は天気予報などで予測できるため、出発前日などに航空会社から「運航の見通し」として告知される。この運航の見通しが出ると、利用客は購入済み航空券の種別に関わらず、通常かかる手数料なしで
・購入金額の全額払い戻し
・搭乗便の振替
などが可能となる。
もしその便が実際に運航されても、いわゆる「特別対応」の対象なので、航空会社にとってはその特別対応をした分だけ損益が出る。公共交通機関としての役割も担う航空会社はそれも見越し、運航するか否かを見極めている。
一方、格安航空会社(LCC)の場合、大手航空会社より先に発表する欠航の割合が高い。これには理由がある。
LCCは到着から出発までの時間をできるかぎり短縮することにより、1日に多くの便を運航することで利益を上げている。もし、自然災害などの影響を受けると、運航便が遅延し、さらに後続の便まで影響する。
結局、運航予定だった後の便は欠航せざるを得なくなり、空港の地上係員やグランドスタッフなどにも負担がかかり、残業代など余分な人件費などの運航経費もかかる。しかも、滑走路閉鎖などで運航予定が中断されると、その先の折り返し便が「機材繰り欠航」するなど、さらに損失が大きくなる。
ちなみに、LCCは主にレジャー路線であり、利用客も観光客や帰省客が多い。航空券も通常、大手航空会社より安い。いざ欠航や大幅遅延となると、利用客の負担は増すが、それも含めてのLCCである。