東急の「歩行補助ロボット」実験が大きく期待される理由
ホームドア設置などバリアフリーの各種取り組みを進めてきた東急電鉄が、歩行補助ロボットの実証実験に乗り出した。その狙いを解説する。
実証実験の目的

curaraは2021年に開発したリハビリ用の歩行補助ロボットで、2.3キロと軽量の上、15秒で装着できる。装着可能の目安は身長145~175センチ、ウエスト65~90センチとされている。これを使うには、当事者の装着のほか、携帯端末に専用アプリ(開発中)をダウンロードする必要があり、同行の健常者が操作する。
AssistMotionの橋本稔社長によると、「curara」という名は「アルプスの少女ハイジ」の登場人物「クララ」からの拝借だ。学生が歩行補助ロボットのイラストを見て、「これはクララだ」と言ったのがきっかけで、長野県は日本アルプスがあり、劇中でクララが車椅子から立ち上がる、「クララが立った!」という感動的なシーンを思い浮かべるのではないかということも後押しした。
色は、装着が目立たないよう、ベージュのみにしており、体になじみやすいようにしている。
今回、東急電鉄を舞台に実証実験を行う目的は、着用した状態で駅のコンコースや階段の歩行、列車の乗降ならびに座席の着座や起立の動作を検証するためだ。
こどもの国線を使った実証実験は2022年11月21、22、24、25、28日に実施され、参加者へのアンケート実施、歩行データの蓄積、歩行時の動画撮影などをした。鉄道利用や沿線外出へのハードル低減に寄与するかなど、ニーズの分析を行い、将来、curaraの駅設置など、サービスの連携について検討していくという。