もはやLCC並み? 大手航空会社の「最安運賃」改変続行、JALも国内線で実質値上げか
割安運賃タイプの台頭
飛行機にはファーストクラスからエコノミークラスまで、さまざまな搭乗クラスがある。そのなかで、最もリーズナブルなエコノミークラス(普通席)を利用する人は多いだろう。
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このエコノミークラスの運賃に近年、大手航空会社が改良を重ねている。そのひとつが、欧米などの航空会社で見られる「ライト」という運賃タイプだ。最安である代わりに、
・受託手荷物/事前座席指定が有料
・予約変更/払い戻しが不可
など、利用条件は厳しい。
さらに、安い運賃で搭乗しようとすると、
・マイル加算対象外
・上級会員でも空港ラウンジ利用不可
など、航空会社が提供するサービスも年々厳しくなっている。一方で、高額な国際線ビジネスクラスなどの搭乗時のサービスはほぼ変わらない。ようは「格差」が広がっているのだ。
複雑な運賃体系が生まれたワケ
エコノミークラスのライト運賃は、欧米をはじめ、アジアの航空会社もここ数年で次々導入されている。
KLMオランダ航空のエコノミークラスライト運賃は、事前座席指定や受託手荷物1個から有料であり、予約変更はそもそも不可。ルフトハンザ航空などもほぼ同様だ。エールフランス航空では、予約変更は有料で可。どの航空会社も、その上の運賃より1万円程度安いことが多い。
ユナイテッド航空の「ベーシックエコノミー」運賃も、他社のライト運賃とほぼ同じ。ただし、日本線を含む太平洋および大西洋横断の便ではルールが異なる。
キャセイパシフィック航空の場合、エコノミークラスは
・ライト
・エッセンシャル
・フレックス
と三つの運賃体系がある。ライトは、受託手荷物1個は無料、座席指定や受託手荷物の追加は有料、マイルでのアップグレードは無料だ。予約変更も可。シンガポール航空も、ライト運賃は受託手荷物23kgまで可能と、手荷物に関してのルールなどアジア系のほうがまだ緩めという印象を受ける。
この運賃が登場したのは、座席指定や受託手荷物を有料化して利益を得ようとする、航空会社のビジネス戦略にほかならない。競争が激化するLCC(格安航空会社)に対抗する生き残り策でもある。