火花散る「電気トラック」開発競争 一歩リードはテスラか? ライバル各社に漂う「走行距離500km」という見えない基準
オランダのDAFは2023年発売開始

9月にドイツのハノーバーで開催された商用車ショー「IAA Transportation 2022」において、オランダに本拠地を置くDAFは、新たな電気トラックモデルXD Electricおよび XF Electricを発表した。
DAFのXDシリーズは、ディーゼル車、ハイブリッド車などいくつかのモデルが販売されており、そこに電気トラックが加わる。このXDシリーズは、2022年「International Truck of the Year 2023」を受賞しIAAにおいて表彰されている。
なお、International Truck of the Yearは、ヨーロッパ全土の主要トラック雑誌の編集者やジャーナリストで構成される審査員により、過去1年間にさかのぼって市場に投入され、かつ道路輸送の効率化に最も貢献したトラックに与えられる賞だ。
XD Electricおよび XF Electricは、いずれも1回の充電で最大500km走行可能であり、3個のバッテリー搭載車の場合80%の充電に45分、5個のバッテリー搭載車の場合フル充電に2時間弱必要だそうだ。とはいえ、同社のチーフエンジニア パトリック・ディーン氏は、
「電動トラックが1日に1000km移動できることを意味している」
とインタビューに答えている。なお、DAFの電気トラックは、2023年量産開始予定とのことだ。
オランダのDAFは2023年発売開始

このように各社の開発状況を俯瞰(ふかん)すると、
「充電1回の走行距離500km」
がひとつの目安のようだ。日本でいうと、1回の充電で東京から大阪に向かい、大阪で充電して東京に戻るイメージになる。
テスラSemiの仕様や充電時間、あるいは詳しい走行条件が不明なものの、イーロン・マスクCEOの「500マイル(約800km)走った」とのつぶやきは、500kmをとっくに超えていることをアピールするには十分意味があったのではないだろうか。