日本人の旅行スタイルを大転換した国鉄キャンペーン 副題は「美しい日本と私」、昭和の「ディスカバー・ジャパン」をご存じか

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旅行需要が回復傾向にある今、かつて日本人の旅行を大きく変えた「ディスカバー・ジャパン」を振り返る。

女性が旅の主役へ

清里高原(画像:写真AC)
清里高原(画像:写真AC)

 1970年代、ちまたでは「良妻賢母」という女性像が完全に過去のものになり、女性は活動的になり、消費を活発化させていた。『an・an』と『non・no』は、この時代にマッチした雑誌で、従来の婦人雑誌が洋服の型紙を収録していたのに対して、既製服を買って楽しむライフスタイルを提案していた。現代では当たり前のことだが、それだけで当時は新しかった。

「ディスカバー・ジャパン」がターゲットとしたのは、そうした従来とは違うライフスタイルを楽しむ女性たちだった。女性が主役となる旅も、従来には存在しない新しい形だからこそウケたわけである。

 この世代が盛んに個人や少人数で旅を楽しんだ結果、現代では世代を問わずに個人旅行が珍しくなくなった。コロナ禍も新しい段階に進んだ今、再び旅行が活発にできることを期待している。

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