実に4年ぶり ANAがCA職採用再開に踏み切った切実事情
ANAの客室乗務員職の募集再開が先日、発表された(2024年度)。コロナ禍で中止されていた3年間を経て実に4年ぶりの新卒採用再開となる。
国際線運航状況はコロナ前の約半分

全日本空輸(ANA)の客室乗務員職の募集再開が先日、発表された(2024年度)。コロナ禍で中止されていた3年間を経て実に4年ぶりの新卒採用再開となる。10月に採用再開を発表していた日本航空(JAL)に1年遅れで続く形だ。
JALは100人程度の採用を予定、ANAは具体的な採用人数については今後発表していくとしている(新卒・既卒合わせて500人規模)。日本の水際対策が緩和されつつある現在、国際線を中心とした航空需要への期待が高まっている。2023年以降の航空業界の見通しはどのようになるのだろうか。
航空業界はコロナ禍による入国制限で大打撃を受け、多くの国際線フライトがキャンセル・運休し、出国数者も大きく減少した。
コロナ前の2019年4月と7月は、それぞれ300万人近いインバウンド(訪日外国人)が日本を訪れたが、コロナによる水際対策の影響が長引き、2022年は4月、7月ともそれぞれ約14万人にとどまった。それに伴い運航数も減少し、2019年4月には約4300便あった国際線は、2022年4月には約6割減の1700便となっている。
10月より新たに適用された水際措置では、ワクチンまたは出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書を提出することで、全ての入国者は入国が可能となった。このルール緩和による影響は早速数字に表れており、10月の入帰国者数は9月と比較して約5割増加、外国人入国者は2倍以上の増加数となっている。この結果から見ても、2023年の入帰国者数の大幅な回復はもちろん、それに伴う国際線需要も大きく期待できる。