タクシーを「つかまえる」という発想自体が、もはや時代遅れすぎるワケ
駅や街中で「タクシーがつかまらない」という状況が増えている。その理由をタクシードライバーでもある筆者が解説する。
タクシーは「つかまえる時代」ではない
駅のタクシー乗り場からの乗客は近場が多いが、タクシー配車アプリや無線の乗客は比較的単価の高い乗客が多く、その上に迎車料も基本的にプラスされる。走り回らずに負担が軽くなり、売り上げも効率もよいとなれば、タクシードライバーもその営業スタイルを選ぶであろう。
筆者も現在、一日の営業回数のうち、多い時には6割くらいがタクシー配車アプリによるものだ。それだけタクシー配車アプリは認知されている。タクシー配車アプリもいろいろあり、登録しているタクシー会社もまちまちである。アプリや会社によっては迎車料金がないところもある。利用者側もどのタクシー配車アプリを使うかによって、快適なタクシーライフを送れるかどうかが決まるであろう。
先ほど述べたタクシードライバーの減少傾向を考えれば、これからは、ますます街中でタクシーがつかまらなくなるかもしれない。「手を挙げてタクシーをつかまえる」という常識が今や消えかかろうとしている。
タクシー配車アプリの出現によって、タクシー業界の勢力図も変わるのではないだろうか。先述したように、どのタクシー配車アプリに属するかによって、売り上げも左右される。「タクシーあってのタクシー配車アプリ」から「タクシー配車アプリあってのタクシー」へと変わっていく、今はその過渡期かもしれない。