タクシーを「つかまえる」という発想自体が、もはや時代遅れすぎるワケ
駅や街中で「タクシーがつかまらない」という状況が増えている。その理由をタクシードライバーでもある筆者が解説する。
深刻なドライバー不足
理由の一つは、タクシーの需要と供給のバランスが崩れ、緊急事態宣言中などとは、逆の現象が起こっていることだ。以前からタクシードライバーの減少は問題視されてきたが、コロナ禍で、より深刻化。国土交通省によると、2021年のタクシードライバーの数は、コロナ禍前の2019年に比べ2割近く減っているという。これがタクシーの稼働数に影響しているのだ。
タクシー会社は稼働率を気にする。稼働率とは、会社の保有台数に対して何台稼働しているのかというものだ。車があっても乗務員がいないというタクシー会社も多い。稼働率は90%以上が望ましいが、中には稼働率が50%まで落ちているタクシー会社もある。どの社も生き残りを懸けて乗務員確保に懸命だが、他の業界でも人手不足が懸念される中、なかなか確保ができないのが現状である。
このように、タクシードライバーの減少=タクシー稼働数の減少も、街中でタクシーがつかまりづらくなった原因の一つだが、その他にもう一つ原因がある。そしてそれが、最大の原因だと、自身もタクシードライバーである筆者(二階堂運人、物流ライター)は考えている。