「LRT脱線事故」が起きても、宇都宮市民が全然批判的じゃない理由

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11月19日に発生した「芳賀・宇都宮LRT」の脱線事故を振り返るとともに、宇都宮市の脱炭素に向けた取り組みを紹介する。

垣間見える宇都宮市の本気度

「芳賀・宇都宮LRT」の詳細(画像:宇都宮市)
「芳賀・宇都宮LRT」の詳細(画像:宇都宮市)

 これらの背景には、公共交通だけが脱炭素化しても足りないことがある。

 宇都宮市は2022年9月に策定した「カーボンニュートラルロードマップ」で、温室効果ガスの削減目標を2030年度までに50%削減としている(2013年度基準)。これまでの目標は27%だったこともあり、ある意味衝撃的だ。ちなみに国の目標は46%である。

 宇都宮市は市民に対して、マイカーから公共交通・自転車への置き換えを呼び掛けている。通例、こうしたものは

「公共交通を利用しましょう」

といったような表面的な啓発が先行しがちだ。しかし、宇都宮市にはLRT、電気バスの導入という現実が立ちはだかっている。さらにバス路線再編後、公共交通機関で市内のほとんどの地域を上限500円で移動できるようになる。呼びかけるだけでなく、実際にサービスの向上が実現しているため、これに応える市民も多くなるだろう。

 現時点では市民からの期待度も高く、実利も伴っているため、宇都宮市の交通再編は大いに期待できる。

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