観光都市のシンボル「オープントップバス」 昭和時代は“乗客ゴミ投げトラブル”で3年消滅、知られざる苦難の歴史と未来の可能性とは

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街なかで見かけるオープントップバス。その歴史と魅力、今後の活用方法とは。

コロナ禍を経て新たな導入事例も

東急グループ創立100周年を記念したバスツアーで使われた2階建てオープントップバスのイメージ(画像:東急バス、東急トランセ)
東急グループ創立100周年を記念したバスツアーで使われた2階建てオープントップバスのイメージ(画像:東急バス、東急トランセ)

 21世紀に入ってから2階建てのオープントップバスが再登場し、観光用途で普及した。それは、2004(平成16)年10月運行開始の「スカイバス東京」だ。当時はちょうど、国の政策としてインバウンド誘致を本格化させた時期だった。再登場したのは、

・乗客のマナー向上
・安全性と眺望を得る利点

が明らかになったことなど、複合的な要因があったようだ。

 スカイバス東京以降、観光客に向けた導入例は増えた。2009年11月には、はとバスもオープンバスを再導入し、新コースに投入している。そのほか、京都市や福岡市などの観光都市では、オープントップバスを使った定期観光バスが例外なく運行されるようになった。

 そしてコロナ禍を経て、新たな導入事例も増えている。

 東急バスと東急トランセは10月8日から11月27日まで、東急グループ創立100周年を記念した「渋谷オープントップバスツアー」を運行した。今回はイベント的な運行だが、東急バスは2023年以降、本格運行も予定している。

 渋谷エリアではかねてより

「観光客の滞留時間の短さ」

が課題となっていたが、その解決手段としてさまざまなエリアを巡るオープントップバスは期待されている。また大都市以外でも、島根県出雲市や富山県富山市など、各地で期間限定のオープントップバスが運行されている。

 そんなオープントップバスから、今後も目が離せない。

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