飛行機の座席「事前指定」 大手も続々有料化、いったいなぜなのか
飛行機の「事前座席指定」おいて、大手航空会社が有料とする動きが年々増えている。いったいなぜか。
外資系航空会社の多くはすでに有料
大手航空会社が事前座席指定を有料とする流れは、外資系航空会社ではいまや一般的だ。
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例えば、ルフトハンザドイツ航空では、エコノミークラスの運賃は
・ライト
・クラシック
・フレックス
の3タイプ。ライトの場合、手荷物は機内持ち込み(8kgまで)のみ、予約変更や払い戻しは不可、事前座席指定や受託手荷物は有料だ。ヨーロッパではこのライト運賃がある大手航空会社はすでに多い。
利用条件を見ると、もはやLCCとほぼ変わらない。ヨーロッパでは日本以上にLCCが普及し、ビジネス出張で使われることも多い。その影響で、大手航空会社が経営難に陥ったり、経営合併したり、国有化される例も後を絶たない。運賃競争に加えて「少しでも収益を」というアイデアで、ライト運賃が誕生したと言える。
一方、日本の場合は欧米や東南アジアほどLCCが競合していない。国土交通省が発表した「我が国におけるLCCの参入促進」によると、LCCのシェアはコロナ前の2019年で
・国内線:10.6%
・国際線:25.8%
である。特に、国内線においては2015年の10%から横ばい状態が続く。国際線は年々増えていたものの、訪日人気がけん引していたことが大きく、2021年は3.3%まで急落している。
ANAもJALも国際線は有料だが、国内線の事前座席指定は無料だ。国内線は大手が無料、LCCが有料という従来のスタンスは維持されている。